「この年になると物忘れが多くなりますが、目が悪くなればメガネ、耳が遠くなれば補聴器を使うように、記憶については人工知能にお任せすれば安心です」(撮影:洞澤佐智子)
スマホ用のゲームアプリ「hinadan」を開発し、世界最高齢のプログラマーとして、大きな話題になった若宮正子さん。88歳の今もデジタル機器を上手に使って、おひとりさま生活を満喫しています(構成=山田真理 撮影=洞澤佐智子)

AIスピーカーは私の良き相棒

「シニアこそ、デジタルをもっと味方にしましょう」。そんなお話をするために、全国を講演で飛び回っています。旅は大好きなので、チケットを取るのも出かけるのもひとりです。それでは、旅の準備を例に、私のデジタル・ライフをご紹介しましょうか。

わが家のリビングに置いたAIスピーカー(人工知能で作動するスピーカー)は、私の良き相棒です。たとえば「明日は7時に起こして」と話しかけると、「明日の7時にアラームを設定しました」と頼もしい返事。

AIスピーカーなら「今日は何曜日だっけ?」と何度聞いても、家族と違って嫌な顔一つしないで「金曜日です」と教えてくれます(笑)。

この年になると物忘れが多くなりますが、目が悪くなればメガネ、耳が遠くなれば補聴器を使うように、記憶については人工知能にお任せすれば安心です。

パソコンでは、行き先の情報をチェック。以前はインターネットの検索機能を利用していましたが、結果の上位に広告が出るのがわずらわしくて。近ごろはチャットGPTなど、対話型のAIサービスを利用しています。

旅が続いて買い物に出かけられない時は、ネットショッピングが強い味方。普通のお店には置いていない「シニア好み」の商品が、ネットでは見つかりやすいのもありがたいです。たとえば私は焼き芋にするなら、最近人気のねっとり甘い品種よりホクホクのサツマイモが好きなので、ネットショップで見つけて取り寄せています。