『88歳、しあわせデジタル生活もっと仲良くなるヒント、教えます』(若宮正子:著/中央公論新社)

旅行鞄には、私が考案した「エクセルアート」をプリントしたブラウスを。経理などに使う表計算ソフト「エクセル」で新しい図案を考えるのが、私の生きがい。今日着てきたトンボ柄のシャツも私の作品です。

腕時計代わりに身につけるのは、スマートウォッチ。健康診断で軽い不整脈が見つかったため、健康の「お守り」代わりにしています。スマートウォッチは心電図を計測できるので、データをパソコンやスマホに保存しておけば、お医者さんに見せることも簡単です。

もちろんスマホも持ち歩きますが、実は私、スマホが得意じゃないの。皆さんもそうかもしれませんが、年を取ると指先が乾燥して、タッチパネルがうまく反応してくれないのです。82歳の時に初めて作ったゲームアプリ「hinadan」も、最近では作者の私がうまく遊べないのだから困ってしまいます。(笑)

スマホを始めとするデジタル機器や、アプリなどのサービスを作る企業の人は、おおむね若い人たちです。ですから、指先が乾いて画面が動かないとか、入力方法がわかりにくいといった私たちの悩みがいま一つ実感できないのでしょう。

だからこそ、シニアもどんどん使って、どんどん要望をメーカーに伝えてほしい。そうすれば、もっと使いやすく改良されるはずです。