ミサヨさんが一番好きなシーン(『はだしのゲン』第2巻より)。「孤児の隆太がゲンの家に置いてもらえることになった時、喜んだ隆太がゲンの母の肩をもんであげるんです。ほかにできることがないから、って。このシーンを読んだ時は涙が出ました。子どものいじらしさ、優しさを夫はよくわかっていました。だからこそこうして作品に描けたのだと思います」(ミサヨさん)
『はだしのゲン』作者・中沢啓治さんの妻ミサヨさん(撮影:大島雅紀)
啓治さんの母の遺骨がほとんど残らなかったという実際の経験を作品に描いた(中沢啓治『はだしのゲン』第5巻[中公文庫]より)
啓治さんが作品のテーマとして大切にしていた「麦」。作中にゲンの父の言葉としてたびたび登場し、希望をつないだ(中沢啓治『はだしのゲン』第3巻[中公文庫]より)