沢村貞子(さわむら・さだこ)/1908年(明治41年)東京・浅草生まれ。女優。本名大橋貞子。日本女子大学在学中に築地劇団に参加。前衛演劇活動に加わって投獄を経験する。34年に映画女優としてデビュー。幅広い役柄をこなす存在感のある女優として評価が高く、舞台、テレビも含め名脇役として活躍。文筆業にも長け77年『私の浅草』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。ほか『わたしの台所』『貝のうた』など著書多数。96年(平成8年)没
「ほかに道楽はない。ただ、食物だけは、多少ぜいたくをさせてもらっている」と記した沢村貞子さん(昭和35年)
「長年にわたった献立日記の筆が措かれるのはその二年前、平成四年十一月二十二日。八十四歳のときである」(写真は昭和31年の沢村貞子さん)