「仕事なの」は通用しない

娘が体調を崩すと、保育所や幼稚園から即連絡が入り「迎えに来てください」となる。

え、迎えに? いまロケですけど。

娘には「もしママに何かあったら窓から大声で助けて、と叫びなさい」と教えていた(写真:青木さやかさんのインスタグラムより)

だが、子どもの世界では、「ロケだからなんですか? 来てください」が当たり前なのである。

わたしは、仕事なの、と言えば、他の約束は遅れても許されると思って生きてきたのだ。 

わたしは当時、パニック症の薬を飲んでいた。家でもたまに意識を失うのではないかという不安にかられた。幼い娘がいることで、わたしが倒れたらこの子はどうなるの? というプレッシャーでさらに倒れそうになるのだ。

三軒茶屋の細長い戸建てに2人で住んでいた。1階の狭い部屋にセミダブルのベッドをぎゅーぎゅーに置いて2人で寝ていた。夜は小さな窓を網戸にしていた。格子があり開けていても危険ではなかった。