厚生労働省が発表した「簡易生命表(令和4年)」によると男性の平均寿命は81.05年、女性の平均寿命は87.09年だそうです。健康寿命はこれよりも更に短い結果となっています。健康寿命を延ばして、できるだけ長く日常生活を制限なく過ごすためには…。医師の森勇磨先生は「健康寿命を延ばすのに、それほどお金は必要ありません」と言っていて――。
これから健康格差時代がやってくる?
効果と安全性が確認された後でも、幹細胞治療を始めとする再生医療に保険が適用されることはないと思います。つまり、誰もが安価で受けることはできない可能性が高いということです。
特に「不老長寿」すなわち「若く健康でいたい」という願望のために安く受けられることはないでしょう。
公的健康保険は病気を治すために使うものであり、原則として若返りのための医療には適用されません。
では、がんなどの病気の治療としてならどうでしょう。これはエビデンスが確立すれば、将来的に保険適用になる可能性があります。
そうなると、考えられるのは健康格差の拡大です。お金持ちは大金を使い、様々な再生医療、先進医療を受けてピカピカに若返り、病気をしても細胞ごと入れ替える。そうでない人たちは年相応に老化し、死んでいく。そんな社会がやってくるかもしれません。