所有しなくてもサブスク、シェア、メルカリで十分

フリーミアムに関して言えば、スマホゲームやYouTube、マンガサイト、TVerなどはお金をかけなくても楽しむことができる。

フリーミアムによってさまざまなコンテンツが消費できる環境があるからこそ、漫画村をはじめとした違法マンガアップロードサイトの利用やファスト映画視聴、SNSへの動画の無断アップロードや画像の転載など、すべてのコンテンツが無料で消費できると誤認している、もしくはその境界線がはっきりしていないなど、著作権のリテラシーが低い者も見受けられる。

彼らからすれば、タダで観れる、タダで使えるという点においてどちらも同じだからである(動画のサブスクなどにおいても、親のアカウントを利用している者も多く、彼らにとっては実質無料なわけで……)。

タダで済むモノならば、必要でないモノにわざわざお金を払う必要がないという価値観が成立しているともいえる。

サブスク市場においては、動画配信に限らず、車や焼肉、切り花までさまざまな商品やサービスが定期購入できるようになり、消費者にとっては所有しなくてもモノや権利を保有できる時代となった。

あわせてメルカリなどのフリマアプリの普及により、セカンドハンドでもいいという考え方や、そもそも所有する必要があるのかという考えを持つ者もいる。

フリーミアムによって成立した価値観と同様に、わざわざ自分が消費する必要があるのかという点を考慮しており、消費に失敗したくないという考えが背景にあるともいえるだろう。

※本稿は、『タイパの経済学』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。


タイパの経済学』(著:廣瀬涼/幻冬舎)

なぜ異常なまでに時間に囚われるのか?

・動画はとにかく「短く」
・スポーツ・映画は観ない
・スキマ時間がなくなった

……「とにかく失敗したくない」Z世代の消費行動のナゾを解く!