明らかになった不定愁訴の原因

十分に摂取しているつもりだったたんぱく質は、1日に(体重kg×1・5~2・0g)が推奨されるらしく、さらにはプロテインスコアといって、9種類の必須アミノ酸がバランス良く含まれているか否かを計る基準値が大切だそうで、私の食生活では全く足りていなかった。

100グラムの魚介類や大豆製品を食したところで、全てがたんぱく質として使われる訳ではなく、実際に体内で有効利用されるたんぱく質の量はずいぶん少なくなる。

その点、鶏卵やしじみなどはプロテインスコアが100で、とても良い働きをしてくれるらしいけれど、当時、卵は悪玉コレステロール上昇の原因になるからと、かなり控えていた。

「卵ほどたんぱく質を摂取するのに完璧な食品はありませんし、2つや3つ口にしたところで悪玉コレステロールは増えません。そもそも、悪玉コレステロールだって、女性のホルモンを作るのには大切な要素なんです」と、ご指導を受け、更には「お肉を食べていないから、鉄分が足りなくて偏頭痛やニキビの原因になっていますね。爪も割れやすいでしょう?」と不定愁訴の原因を教えてくださった。

よかれと思って摂取していたものが全て仇となり、むしろよかれと思って控えていたものが、自らの身体に最も必要なものだったと気付かされ、愕然としたものの、何よりも大好きだった炭水化物を極力減らし、黒糖や、きび砂糖、はちみつを含む糖質全般、白米、精製された小麦粉を徹底して断つ肉体改造が始まったのである。

アンズ茸はヨーロッパの夏の風物詩。ガーリックオイルで炒めたものを桃やハーブと和えて、サラダにしてみました。アヒージョやポタージュスープも絶品です。(『文はやりたし』(幻冬舎文庫)より)