樋口さん「結局は自分ひとり。寂しくもありますが、そう思って生きていくしかない」(写真提供:Photo AC)
平均寿命が伸びる一方で、長生きによる「老い」に直面する場面も増えています。以前と違う自分に戸惑ったり、忘れてしまうことに恐怖を感じている方もいらっしゃることでしょう。91歳になった今でも執筆活動を続けている、評論家・東京家政大学名誉教授の樋口恵子先生は<老いのトップランナー>として、「自分の老いを実況中継しながら、皆さんにお伝えしてご一緒に考えていきたい」と話します。その樋口さん、「ひとりでも大丈夫と思いたいけれど、全然大丈夫じゃなかった」と言っていて――。

究極はみんなひとり

昔、雑誌の取材で「これからの高齢者は『ひとり力』がないと生きていけない」とお話ししたことがありました。

だって、いつかはひとりになっちゃうんですもん。

でも、自分が老いて実感しました。ひとりでも大丈夫と思いたいけれど、本当は全然大丈夫じゃない、と。

それでも人間、究極はみんなひとり。

たとえ大家族であったとしても、おのおのに意思があり、結局は自分ひとりです。寂しくもありますが、そう思って生きていくしかありません。