ラブレ菌
ラブレ菌を発見したのは京都府立医科大学名誉教授の岸田綱太郎博士です。岸田先生が1993年にラブレ菌を発見した当時、先生は京都府立医科大学微生物教室の教授でした。私の大先輩です。
私は医師として岸田先生の主治医であったこともあり、岸田先生が亡くなられてから、ラブレ菌の研究を引き継いでいた時期があります。ヒト臨床試験を行って機能性表示の獲得に関わったこともあります。
その後、ラブレ菌の特許が切れて、誰でも自由に研究できるようになってから、ブームは落ち着きましたが、私にとってラブレ菌は思い入れのある微生物なのです。
ラブレ菌は乳酸菌の一種ですが、ヨーグルトに含まれる乳酸菌とはかなり異なる性質を持っています。
ヨーグルトの原材料は牛乳です。このような牛乳からつくられた乳酸菌のことを動物由来乳酸菌といいます。これに対して、すぐきは植物です。このような植物からつくられた乳酸菌は、植物由来乳酸菌といいます。
植物由来乳酸菌は、動物由来乳酸菌に比べると、あまり研究されてこなかったのですが、ラブレ菌の研究では肝炎ウイルスの増殖を抑えるなど、動物由来乳酸菌にはないユニークな機能性があることがわかりました。