BTSの場合、推そうと思ったらお金をかけずにいくらでもできる、と雪さんは言う。なぜならアーティスト側からの供給が「申し訳ないくらい過剰」だからだ。

「ツイッターや無料のコンテンツで、オフの日の様子なども見せてくれる。休暇中も何をしているかアップしてくれるから寂しくないんです。こちらもお返しをしないと落ち着かないので、頼むからお金を使わせてと、お布施のようにDVDやグッズを買っています」

雪さんによると、豪華なDVDボックスが年に3回ほど出て、それが1本8000~9000円くらい。ライブやファンミーティングの様子を収録したDVDのほか、韓国版とは異なる内容のジャパンエディションなどもあり、DVDだけで年に10本は購入している計算になるのだそう。離婚を経て、現在は派遣社員として働いている雪さんは、生活で節約できるところは節約して、BTSのためにお金を捻出しているという。

「一度だけチケットが取れて東京ドームのライブに参加したのですが、RMと目が合わないかな~と、ずっとドキドキしていました。もっとも席はスタンドの2階だったので、ステージから見えるわけはないんですけどね(笑)」

ジュリーに始まり、過去多くの芸能人のファンになってきたが、これほどまでに穏やかな気持ちで誰かを推せるのは初めて、と雪さん。

「好きになった相手が、つまらない女性タレントと噂になったり結婚したりすると、本当に悔しいし落ち込みます。その点、BTSのメンバーは恋愛スキャンダルが一切なく、普段の発言やメッセージ性の高い自作の歌詞などでも、ファンを嫌な気持ちにさせることがないんです」

仮にこの先、RMが結婚しても推せるのか聞いてみると、「無理ですね。家で別の女性が待っていて、その女性に優しくしているなんて、想像しただけで嫌です!」とキッパリ。たとえ疑似恋愛であっても、そこは譲れないのだ。

日々新しい情報が出てくるため、スマホを片時も離さずチェックしているという雪さん。現在は少しでも彼らにふさわしいファンでありたいと、スポーツジムに通って自分磨きに励んでいる。おかげで以前より、心身ともに健康になったそうだ。

 

舞台の上の彼は神秘的な美しさで……

漫画やアニメ、ゲームなどの2次元と、現実世界の3次元の狭間にある「2.5次元ミュージカル」に夢中になっているのは、英会話講師の友里恵さん(53歳)だ。2.5次元ミュージカルとは、2次元の作品を原作・原案としたものを、3次元で役者が演じる舞台を指す。