プレゼントの予算は?
変わらないことといえば、プレゼントだろうか。
誕生日プレゼントに、リクエスト制を導入したのも、40代になってからだ。当日が近くなってくると、友人同士でLINEをし合う。
「今年の誕生日プレゼント、何がいい?」
「ちょうど観葉植物がほしかった。サイズは高さ30センチくらいで、小さいものがいいんだけど」
「私も欲しかったから今度、目黒あたりで探してくる」
年をとるとなにかと合理性を選ぶようになるのは、処世術なのだろうか。
余談だが、このリクエスト制の誕生日プレゼントの、予算についてちょっとした思い出がある。私は誰かに買うときは、いつも5,000円程度を用意していた。超高級品をもらっても負担だし、逆にせっかくの誕生日に安っぽいものは気が引ける。その折衷案が5000円だった。
とある3人グループで、1人の誕生日を祝うため、プレゼントを買うことになった。私はいつも通り、2人それぞれが5000円くらい出すのかと言うと、もう1人がこう答えた。
「1人、2000円くらいで良くない?」
……確かにふたりで2000円ほど出し合えば、5000円には近づくだろう。私は「2人で5000円ずつ出せば、1人で買うよりもいいものが買える!」と軽く思っていたので、彼女の考えが意外だった。実はその彼女、当時の飲み仲間内では有名なお嬢様。とはいえ、高飛車なわけでもなく、実家が太いことを自慢するわけでもない女性。そんな彼女から聞いた2000円のプレゼント予算。金持ちとはこういうところで倹約ができるから、金持ちなのだろうと、しみじみ。きっと彼女は親から倹約教育を受けたんだろうなあ。