私は毎朝、土佐茶の新茶を多めに淹れて3煎ほど楽しんだら、茶殻の水気をよく絞って保存容器に溜めておくんですよ。油で炒めて砂糖、醤油、みりん、粉節(削り粉)で味付けすれば、ご飯に合う常備菜のできあがりです。
食べられるものは捨てずに食べ尽くす。そんな知恵や習慣も若い人たちに伝えておきたいと、「覚え書ノート」にせっせと書き残しています。
早いもので定年退職してから30年以上が経ちました。この歳になっても日々の料理や寿司作りを楽しめるのは、つくづく幸せなことだと思います。新しいレシピや調味料の分量は住所録の余白に、あいうえお順にメモして記憶力の減退を補って。この方法は便利だから、若きおじいさん、おばあさん、ぜひお試しください。(笑)
大正15年に生まれ、昭和と平成の食卓を見てきました。そんな私が令和の時代を迎えて思うのは、どれだけ社会や環境が変わっても食べることの大切さは変わらないということ。
貧富の差が大きくなり、老いも若きもストレスを抱えている。だからこそ、その土地で採れた旬の食材を、先人たちが伝えてくれた調理法で食べてみてほしいと思います。郷土料理がきっと体を健やかに、心を温かくしてくれるはずです。