りゅうきゅうはお味噌汁の具に

茶殻も捨てずに食べ尽くす

子どもが小さいころ、大学から帰って急いで夕飯の支度をしていると、幼い娘が台所にやってきては、「お腹がすいた!」とまとわりついてきました。お菓子を渡せば手っ取り早いけれど、そこはこらえて、代わりにさっと握ったおむすびを「はい、どうぞ」。

お菓子は糖分がすぐ血糖になって空腹感が消えてしまいます。でも、でんぷん質の米は消化吸収に時間がかかるから、血糖になるのもゆっくり。満腹を感じないぶん、おかずをたっぷり食べられるのです。

おむすびは、非常食としても重宝します。まとめて作っておけば、好きなときにパッと手に取って漬物と一緒にちょいとつまめるでしょう。残ってもきれいなままだし、洗い物も少ない。こうして考えると、おむすびは日々の暮らしになじんだ伝統食。これからも大事にしていきたいものです。

非常時といえば、お茶も忘れてはいけません。私は、災害が起きると必ず煎茶の葉をカバンに入れて被災地を訪ねることにしていました。現地には新鮮な野菜がないし、すぐに届く当てもない。

煎茶の葉は、食物繊維やカロテンを豊富に含む緑黄色野菜です。茶殻を油炒めにすればおかずになるし、ご飯にカチリジャコ(ちりめんじゃこ)と一緒に混ぜれば菜飯になる。混ぜるだけなら、火も使いません。