今の時代に必要な歌
当時、笠置さんの代表曲くらいは知っていた私ですが、考えてみれば、この楽屋でのオファーが私と笠置シヅ子さんとの出会いであったと言っても過言ではないように思います。
「そうですね…」
yesでもnoでもない返事をした私は舞台がハネた後すぐに手元のiPhoneで「笠置シヅ子」を調べるだけ調べ、演(や)ったことのない音楽劇という仕事に不安を持ちながらも、「これは、今の時代に必要な歌かもしれない」と思い始めていたのです。
人間生きる上で大事なものは、人や仕事との出会い、巡り合わせ、そしてそれらを引き寄せる力だと考える私ですが、この『SIZUKO』という音楽劇との突然の出会いは、まさに歌手として大きな転機であったように思います。
ここで笠置さんがどのような人生を送られたかということを改めて書くのは控えますが、ドラマ以上の人生を溢れんばかりのエネルギーで真っすぐに生きた方であったということを皆様にインプットしていただければ幸いです。