「時代が求めた歌手」

歌手である私が感じる笠置シヅ子というアーティストの表現力には、唯一無二、ぶっちぎりの魅力があります。

その型にはまらない、自由でエネルギッシュな笠置スタイルは、嬉しいことに、私自身が思う「表現の概念」を肯定してくれるものでもありました。

生まれ持った個性的な声、驚かんばかりのリズム感、いわゆる美人ではないけれど(ゴメンナサイ)、人が好きになってしまうそのルックス。そして、何といっても感情とともにクルクル変化する豊かな表情。

大袈裟なようですが、あの苦しい時代に日本人が心底求めた「救い」を神が笠置シヅ子という歌手に与えたのだとしか思えないものを持って生まれた方だと感じています。

ある意味それは、巫女(みこ)の持つ役割と近かったのではなかろうかと思うのは私だけでしょうか。

そもそも、歌手という仕事の役割はそこにあるのかも知れないと、これまで歌ってきた中で私自身が思うようになりました。

写真提供◎TOI LA VIE(トワラヴィ)

舞台の上で歌うとき、「自分ではない自分」を客観的に感じていることがあります。

おそらく、笠置さんご自身もそんなトランス状態を知る方だったに違いありません。

「時代が求めた歌手」。

笠置シヅ子というアーティストを通して、私自身のことを少しずつ、ゆっくりと見つめ直してみようと思っているこの頃です。

■コンサート情報

●12月24日 兵庫県立芸術文化センター  KOBELCO大ホール

Hyogoクリスマスジャズフェスティバル2023 アロージャズオーケストラ&神野美伽

https://www1.gcenter-hyogo.jp/contents_parts/ConcertCalendar.aspx?md=5&ko=5031011323

●2024年1月13日 大阪府貝塚市 コスモスシアター

貝塚市市制施行80周年記念公演 神野美伽・笑福亭たま新春!二人会

スペシャルゲスト:アロージャズオーケストラ