人生100年時代、現役世代を駆け抜けた後はどのように過ごせばいいのでしょうか。精神科医の保坂隆先生いわく、人生後期は無理をせず「ほどほど」をキーワードに過ごすことが大切とのこと。『精神科医が教える 人生を楽しむ ほどほど老後術』より、日常生活を元気で楽しく暮らすための知識をご紹介します。

一人の老後は部屋が散らかり放題に

ご主人を見送り、一人で老後生活を送るようになってからもう10年経ったというH子さんのお宅は、いつ誰が立ち寄ってもきれいに片づいているため、感心されるそうです。

「どんなに散らかしても文句を言う人がいなくなったので、気楽でいいわと思う反面、これは自分で気をつけなければ、あっという間に家の中がごちゃごちゃになってしまうと思いましてね」

そう言うH子さんは自分の中で決まり事をつくりました。

それは「どんなことも往復で行う」というもの。つまり、「開けたら閉める」「出したらしまう」というように、何でも往復で元どおりにするわけです。

「外出から帰ってきたときなど、疲れていることもあって、着ていた服、持っていった物をその辺に置いたまま座りこんでしまうことが多かったんです。

ところがいったん座ると疲れがどっと出て、そのまま片づける気持ちが起こらなくなってしまうんですよ。翌日も、そのうち片づけようと思って、目をつむることに。こうして気がつくと、散らかり放題になってしまうんです」