『97歳 料理家 タミ先生の台所おさらい帖』より
94歳まで約60年間「桧山タミ料理塾」で延べ1000人以上の生徒に料理を教えてきたタミ先生。無理せず自然体で過ごすことを大切に、「がんばらない台所」を伝え続けてきました。ご飯炊きの土鍋はタミ先生が愛用してきた調理道具の一つ。お米の芯まで熱が通って、ふっくらと炊くことができるそうで――

まな板はイチョウやヒノキのものを

よく使う包丁は、3本あります。出刃包丁と菜切り包丁に、写真の一番小さな包丁は出雲特産のヤスキ鋼(はがね)製で、江上栄子先生が応援されて「江上包丁」という名前で広まりました。

この江上包丁は、日本伝統の製鉄法を受け継いだ包丁です。幅のあるナイフだったのが、50年切ったり研いだりしているうちに、ずいぶん小さくなりました。でも相変わらず、すぱーっと切れ味がいいです。

刃物は、お手入れが欠かせません。うちの塾生には、包丁研ぎも普段の台所仕事の一つとして教えてきました。切れ味が鈍い包丁では、食べ物を傷めてしまい、まずくなります。

よく研いだ包丁で切っていると、皮むきでも千切りでも、形も味もきれいにできて気持ちがいいでしょう。

まな板は、イチョウやヒノキの材のを使っています。水けをほどよく吸って材料が滑らず、包丁が吸いつくように切りやすいです。