大地震のもとでは、あらゆるものが凶器に

一方、私が考える「手元の食器類を少々手放してもいい人」というのは、日ごろから「テーブルや台所でお皿が邪魔になりがち」「棚の中から使いたい食器を見つけにくい・取り出しにくい」と感じている方たちです。

この場合、「食器を減らす」を目的にするのではなく、あくまで「日々の暮らしや家事をラクにするため」とすれば、より前向きに考えられるのではないでしょうか?

また、安全面の観点からも所有する食器の数は考えておきたいところです。

話はやや変わりますが、私は仙台に住んでおり、先の東日本大震災では半分ほどの食器が割れました。そこまで食器が多いわけではなかったものの、震災直後に割れたお皿を処理するのは“我が家レベル”でも非常に大変でした。

たくさん食器をお持ちだったお宅などでは、キッチンやダイニングじゅうに割れたお皿が散乱。一瞬で足の踏み場がない状況になった、とも聞きます。食器棚自体が倒れて、キッチンをふさいだというお宅も。

大地震時には、あらゆるものが凶器となります。特に陶器やガラスの食器類は、割れたら即、危険物になりかねません。ですので、普段から使わない食器をなるべく減らしておくことは、安全面の上からも大事なことだと思います。