「まだ使える」を基準にするとなかなか減らない食器。どうすれば――(写真提供:Photo AC)
着なくなった服が押し込まれたクローゼット、本がぎっしり詰まった本棚、使わないお皿だらけの食器棚……。モノで溢れた家にうんざり、という読者も多いのでは。一方、これまでに7000人以上の受講生へアドバイスをしてきた人気整理収納アドバイザー・阿部静子さんは「何があるかわからない時代だからこそ、人生の折り返し地点を過ぎたら片づけたもの勝ち」と断言します。その阿部さんが50代以上に向けて、お手軽片づけ術を伝授。今回は「食器を減らすコツ」です。

その日のためだけの「食器」

クリスマス、年末年始と、人が集まる場がこれから増えそうな時期ですよね。家族や親せきで食卓を囲む機会も増えることでしょう。そこで今回、そうした場面で不可欠な「食器」の扱いについて考えてみたいと思います。

普段、そこまで多くの食器を使っていなくても、みんなで集まる日に備えて、とりあえずたくさん持っている……なんて方は多くいらっしゃいます。子どもが巣立ったけれども、その分の食器だけは残してある、というご家庭も。

でも実際にこれまで、そういった食器を使った機会は何度あったでしょうか。あらためて数えてみたら、これまでに使ったのは年に1、2度という方も少なくないのでは? 「その日のためだけに食器棚がぎゅうぎゅう」という状態をストレスに感じている方も一定数、いらっしゃいそうです。

そもそも食器とは捨てにくいモノです。

割れていたり、ひびが入っていたりすれば、捨てる気にもなりますが、そうでもなければ「まだ使える」わけで、捨てるには躊躇して当然。その意味で、洋服の扱いに似ているのかもしれません。

結果として、食器棚1つで収まりきらず、複数お持ちのお宅もありますし、リビングに来客用のカップ&ソーサーやグラスなどを並べたサイドボードを置いているお宅も。さらにはそれでも入りきらず、段ボール箱に入れて物置に収納しているご家庭もあるほど。

それぞれのご家庭の状況を聞けば聞くほど、食器は減らしにくいとあらためて感じます。