基準を置き換えて

完全な未使用品などなら、まずは普段使いに転用するのもおすすめです。ある方は、来客用としか認識していなかった高級食器を、毎日使うようにしたことで、より気分よく食事ができるようになったそうです。

わが家でも大事にしていたアンティークの食器があり、割れるのを避けた結果、押し入れにしまっていましたが、震災を機に普段使い用へと転用しました。使われることで食器も喜んでいることでしょう。

最後に、実家の食器の整理について。

シニア世代ほどモノを大事にする反面、所有している食器も必要以上に多い印象があります。もし実家の親御さんに、食器の整理を相談するのであれば、今回お伝えしたように「安全のために」「生活をしやすくするために」片づける、といった前向きなニュアンスで話をしてみてはいかがでしょうか?

とにかくやたらとモノの多い令和の時代、使わないお皿を持ち続けるのは、いろいろな意味でむしろもったいないことになりかねない…と丁寧に伝えましょう。

新基準に沿って食器を減らした片づけ講座受講生宅の食器棚。スッキリ!(写真:著者)

なお処分する際は、各自治体のルールに従ってください。もしバザーやリサイクルショップなどに出すのであれば、使用したものを扱ってくれるかなど、調べたうえで利用するといいでしょう。

以上、人が集まる機会が自然と多くなっていくこの時期、「まだ使える」ではなく、「本当に出番があるのかどうか」「ラクに暮らすため」を新しく基準として置き換えて、手元の食器の扱いについて考えてみてはいかが?


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