娘に抱かれるおっぽ(写真提供◎青木さん 以下すべて)

 

青木さやかさんの連載「50歳、おんな、今日のところは『……』として」――。青木さんが、50歳の今だからこそ綴れるエッセイは、母との関係についてふれた「大嫌いだった母が遺した、手紙の中身」、初めてがんに罹患していたことを明かしたエッセイ「突然のがん告知。1人で受け止めた私が、入院前に片づけた6つのこと」が話題になりました。
今回は「愛犬おっぽを見送った人として」です。

前回「保護猫兄弟シティとクティが家に来てから、生活は猫中心に。近所の猫まですべて可愛いと思える」はこちら

色々な人に可愛がっていただいた

おっぽ(トイプードル)が亡くなって1年が経った。
何度かその事を書こうかな、と思って書き進めたけれど、思い出すと辛くなってやめた。

1年経って、こう書き始めても、あの時の悲しさを閉じ込めたままにしているんだと感じる。

おっぽは、色々な人に可愛がっていただいた。
17年前には、『天才!志村どうぶつ園』という番組でわたしと共に出演した。食いしん坊で芋好きなおっぽが、立ち歩きしながら芋を欲しがる姿は、きっと多くの人を楽しい気持ちにさせたことだろう。

わたしが居ない時は、シッターさんに大変お世話になったし、後輩や友人にもおっぽと仲良くしてもらった。

娘が生まれてしばらくしてから、おっぽは実家へ預けることにした。前の旦那とおっぽの折り合いが悪く(人と犬でもそういうことはあるのだな、と思った。どちらが悪いわけでもないと思う)わたしが仲をとり持てず、まずはわたしと旦那の仲をどうにかせねば、といっぱいいっぱいだった。

何か言いたそうなおっぽ