友人宅のバディ(写真提供◎青木さん 以下すべて)
青木さやかさんの連載「50歳、おんな、今日のところは『……』として」――。青木さんが、50歳の今だからこそ綴れるエッセイは、母との関係についてふれた「大嫌いだった母が遺した、手紙の中身」、初めてがんに罹患していたことを明かしたエッセイ「突然のがん告知。1人で受け止めた私が、入院前に片づけた6つのこと」が話題になりました。
今回は「愛猫家の人」です。

前回「肺がん手術から5年が経過した。当時存命中の母にも知られたくなかった。でも……」はこちら

毎朝のルーティン

白と黒の猫の兄弟は、うちにきて5年になる。生後3ヵ月、保護団体twfの会からやってきた。今では家族の一員、いや主のようだ。

毎朝起きると、黒いハチワレ猫は、ごはんだ!ごはんだ!とニャーニャー鳴き起こす。それでもまだ寝ていると、窓際からわたしの腹部に、ドン!とジャンプし、「うう」と呻くわたしの髪を1本ずつ噛みちぎる。やめてくださいと言いながら布団に潜り込むが、やがて気の毒になり、仕方なく起きる。寝ぼけ眼で、ごはんを準備すると、ジロリと一瞥し「またこれかよ、他のを出して」と鳴く。「これなの。これしか今日はないので。からだにいいから、食べなさい」と言うと、しぶしぶ食べ始める。

ご飯を待つハチワレ、我が家のクティ

その様子をじっとみていた控えめな性格の白い猫は、ハチワレ黒猫が食べ終えた後、残ったお皿に近づいて静かに食べ始める。白い猫は、かつおぶしが好きだから、猫用のかつおぶしを、黒猫に見つからないように、そっとふりかける。

これが毎朝のルーティンだ。

仲良しのクティとシティ