身のまわりに、栄養になるものばかりあった

渋柿の皮をむいたら、普通は捨てるのに、干してカリカリにして、それがキャラメルの代わり。もぐもぐもぐもぐ。すごく甘いんですよ。

普通、干し柿の皮なんて捨てるじゃない? ところが日光に当てると、ビタミンDはあるしBもあるしで、すばらしいの。

それをもぐもぐ食べるんだけど、子どもはぜんぜん嫌じゃないの。「おいしい!」って食べるわけ。

そこに母が、「これはキャラメルの代わりよ」なんていうから、「へー、そうなんだ」って。

身のまわりに、栄養になるものばかりあったのね。

今思えば、そのころの食事って、オーガニックで、おしゃれといってもいいくらい。

そのときの食べ物が、いろいろと健康につながってる感じですね。

だから、経済的には貧しい時代だったのに、内容はけっこう豊かだったのかなって思って、ひそかにご機嫌なんです。

そのころのおかげで、今元気なんだと思うんですね。

※本稿は、『86歳の健康暮らし ─ だれにも言っていないひみつの健康法』(興陽館)の一部を再編集したものです。

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