自分の尺度で行動する

このとき気をつけるべきなのは、他人の尺度でなく自分の尺度でしあわせ感を測ること。

一般的な価値観や他人の意見に惑わされず、自分の価値観で自分なりのしあわせを把握することが重要です。

たとえばナディーヌ・ロスチャイルドは、「ひとりでお茶を飲むときにも、ふちの欠けたカップではなく、いちばん上等なカップを使うべきだ」と言います。しかし仮に、ふちの欠けたカップが大事な人からの贈り物で、長年愛用してきたものであるなら、そのカップを使ったお茶の時間は心地よいひとときになるでしょう。そんなカップならずっと使いつづけてもいいのです。

とはいっても、「仮にそうだとしても、私ならふちの欠けたカップは使いません」とナディーヌ・ロスチャイルドならきっぱり言うかもしれません。

『新版 科学がつきとめた「運のいい人」』(著:中野信子/サンマーク出版)

つまり、ふちの欠けたカップを使うかどうかはその人次第。大事なのは、自分が心の底からどう感じるか、自分の脳がどう反応するかをきちんと見極めて、それに従って行動することです。

他人の尺度でなく、自分の尺度で行動する。他人がどう思うかではなく、自分が心の底から「心地よい」「気持ちよい」と思える行動をするのです。

運のいい人というのはさらに、自分のものさしで測った自分が心地よい、気持ちよいと思える状態を積極的につくり出す努力をします。