そもそも「源泉かけ流し」がどういう状態かと言うとーー(写真提供:Photo AC)
訪れた温泉は約500湯、女ひとりで温泉を巡りまくっているという永井千晴さん。旅行情報誌編集部で働いた経験を活かし、現在は「温泉オタク会社員」としてブログなどで温泉情報を発信しています。その「温泉オタク会社員」こと永井さんが温泉の楽しみ方を紹介する当連載。今回のテーマは「源泉かけ流し」です。

温泉の加工手段

「源泉かけ流し」。温泉好きが集えば、この定義によっておそらく一晩は飲んで話せるほどの、奥深いものです。そもそも源泉かけ流しって、どういう状態を指すか、ご存知ですか。

温泉が湯船に注がれる際、さまざまな加工がなされている場合があります。めちゃくちゃわかりやすく考えるとすれば、これらの加工が一切なされていない状態を「源泉かけ流し」だと認識していいと思います。

温泉の加工には、次のような手段があります。

・ 加水する(源泉を適温にしたり、湧出量が少ないのを補完したり、成分が濃すぎる源泉を希釈したりするため)
・加温する(冷たい源泉を適温にするため)
・循環する(湯船に注いだ温泉を吸引し、再び湯船に戻すこと)
・ 循環濾過(ろか)する(湯船から吸引した温泉を、汚れやごみを取り除くために濾過器を通してから再び湯船に戻すこと)

※循環している場合、温泉を清潔に保つため塩素消毒を行うことが多いです。消毒は条例によって定められている場合もあります。

加水・加温・循環・濾過・消毒をしているかどうかは、脱衣所にある温泉分析書に記されています。