すべての服は言葉を持っている

ここにある、2種類の服のイラストをご覧ください。

この2つのイラストの服装から、それぞれどのような人物を想像しますか?<イラスト:Ritsuko 『「センスがいい人」だけが知っていること』より>

左側は、ふんわりふくらんだパステルカラーのワンピース。右側は、かっちりした濃い色のスーツです。この2つのイラストの服装から、それぞれどのような人物を想像しますか?

1枚目のワンピースからは「お嬢様」「かわいらしい女性」、2枚目のスーツからは「真面目そう」「有能なビジネスウーマン」といった人物が浮かんできませんか?

では、なぜ、そう思ったのでしょうか? それはあなたの中に、今までに見てきた映画やドラマなど、さまざまなメディアを通して刷り込まれた服のイメージがあるからです。

私は、そのイメージを「服の言葉」と呼んでいます。

優しい色、カッコいい形、かわいいテイスト…というように、すべての服には色、形、テイスト(雰囲気)に、言葉があるのです。これは「ファッションの法則」です。

「服の言葉」=イメージが結び付いて、人は無意識にその言葉と着ている人を重ねて捉えています。ですからなんとなく服を選んで着ていると、自分が何も言わなくても、服が「私はこういう人間なんです」と自分が伝えたい自分の印象より先に勝手に話し出してしまいます。

じつは、服は、あなた以上におしゃべりなのです。