デーブさん「あの人呼べば盛り上がるぞって人が評価されるの」(写真提供:Photo AC)
「コンプライアンス」や「忖度」といった言葉をよく目にするようになった昨今。そのようななか、「忖度なしに発言するのと同時に、メディアの重要性を伝え、メディア自体の信頼性を高めていかなきゃいけないとも思う」と語るのは外国人コメンテーターとして活躍するデーブ・スペクターさん。今回はそのデーブさんと脳科学者の中野信子さんの対談をお届けします。現在の日本では欧米のような成果主義を求める声もありますが、実際成果を測ることは難しいと言います。その代わりに、評価よりも評判が大事になるのではとのことで――。

サラリーマンの未来

デーブ あの人呼べば盛り上がるぞって人が評価されるの。現金じゃんけんできるやつとか。あと仕切れるやつね、忘年会とか。

中野 私がもし社交性があったら、そういうとこでまず経理と仲良くなる。

デーブ 僕だったら人事課。みんなの秘密知ってるから。人事課出世するってよく言われるよね。

中野 人事と経理。その辺と仲良くなる。でもよくそこまで知ってますね、日本の会社。

デーブ 面白いじゃないですか、サラリーマン。

中野 すごいなと思って。ほんとに何か特殊工作員かもと思う。

デーブ 何かの部品作ってるとか、一般に知られてないものすごく地味な会社でも、大手や有名な会社と並んでもプライドは変わらないじゃないですか、サラリーマン。スーツの襟に社章?してるじゃないですか、会社のマークの。名刺とかも派手じゃないけども、出す時のあのなんというかな、誇らしさ、これ素晴らしいと思う。

中野 所属しているということがなんだか日本ではすごく大事ですよね。

デーブ そうそう、所属好きなんですよね。どこか所属してないとダメ。だからテレビのADだって所属してるじゃない、制作会社。そんなの日本だけですよ。

中野 本当ですよね。日本だとプロフェッショナルとして個人で仕事してるわけじゃないから、どこか所属しないとやっていけない。

デーブ そうなんですそうなんです。すべての分野がそうじゃないですか。

中野 何かちょっと「家」感があるんですよ、会社に。血縁関係はないんだけど、ゲマインシャフト的共同体感と言えばいいのかな。あるいは昔の大名家みたいな。伊達家中の者でござると名乗れるとうれしいみたいな。

デーブ よく日本の企業は父親的だって言いますよね。つまり慰安旅行したりとか、結婚する時とか身内が亡くなった時にお金くれたりするじゃないですか。

中野 ご祝儀とかね、お香典とか、お花出してくれたりとか。

デーブ そうそう、それと通勤定期くれるとか。会社にどうやって来ようと知ったことじゃないのに。

中野 企業のそういう部分が社会のセーフティネットみたいに働いてきていたところがあって、そこを基準にしてるからみんな悪さもできないし、そこがコンプライアンス以前の倫理を支えるものになってたところはあると思うんですよね。

デーブ もう見事にコンプライアンスですよね。

中野 そこがだんだんなくなってきた感は確かにあります。