23年7月、ウィンブルドン選手権・車いす部門・男子シングルスで優勝。左手でラケットを、右手で車いすを操る(写真提供◎読売新聞社)

23年6月に行われた4大国際大会のひとつ全仏オープンの男子シングルスで最年少優勝を果たし、世界ランク1位に。7月にはウィンブルドンも制覇。さらに、10月末に中国で行われたアジアパラ競技大会でも優勝し、今年パリで開催されるパラリンピックの出場を決めた。

加えて、「全仏オープン車いすテニスシングルス最年少優勝者」「グランドスラム車いすテニスシングルス最年少優勝者」「世界ランキング1位を獲得した最年少車いすテニス選手」「ウィンブルドン車いすテニスシングルス最年少優勝者」という4つのギネス世界記録を達成している。

――全仏オープン、ウィンブルドンの2つのグランドスラムで優勝できたことはもちろん、ギネス記録に4つも認定されたことはとても嬉しかったですね。尊敬する車いすテニス界のレジェンド、国枝慎吾さんもたくさんのギネス記録を持っていますが、最年少記録は今の僕にしか成し得ないことですから。

なかでも全仏オープンで初優勝を果たした時は、ついに目標が達成できたという安堵感が大きかったです。僕は「グランドスラムでの優勝と世界ランキング1位」を目標にして、常々「優勝します」「勝ちます」と公言し続けてきた。だから、有言実行できたことで、自信にも繋がりましたね。

「優勝します」と言い続けることは、プレッシャーにもなるし、負けた時の代償も大きい。でも、そうやって自分を鼓舞し続けていないとモチベーションも上がらないので、強気な姿勢は僕のスタイルでもあります。