脳からの警告

人それぞれに違った不安があり、誰でも時々不安を感じるものの、その強さや頻度が違います。とはいえ、不安も空腹や疲労と同じように人間にとって自然な感情です。

『メンタル脳』(著:アンデシュ・ハンセン, マッツ・ヴェンブラード 翻訳:久山葉子/新潮社)

「不安にならないで、楽しいことを考えなさい」とか「ポジティブに!」とか言ってくる人もいます。ですが、そんな空っぽの甘い言葉では不安は消せません。それで消えるような不安だったら、脳が私たちを行動に出させるほどの効果はなかったことになりますし、私たちもこのように進化してこなかったでしょう。

どんな不安も、もともとは脳が「何かがおかしい」と私たちに知らせるための手段です。不安を感じることでストレスシステムを起動し、不安の原因が漠然としていたり、ありえないようなものだったとしても脳は全力を尽くします。

なぜなら脳の扁桃体という部位が「何かがおかしい!」と警告を発するのが好きだからです。