不安とは「事前のストレス」

「心配」が何かはよく知っていると思いますが、「不安」とはそもそもどんなものでしょうか。根本的には心配と同じ感情ですが、不安の方がもっと強く、長く続きます。

不安は「事前のストレス」という表現が的確でしょう。先生に怒られた人はストレスを感じ、「闘争か逃走か」の状態になります。一方で、「明日、先生に怒られたらどうしよう……」と考えるのが「不安」です。

身体の中で起きている反応は同じですが、ストレスが現実の「危険」によって引き起こされる一方で、不安は「危険かもしれない」と考えた時に──実際には危険でなくても──わき起こります。

強い不安というのは、「何かがひどくおかしい」という非常に不快な感情です。原因はわからなくても、とにかく身体全体でそう感じるのです。「自分をやめてしまいたいくらい嫌な気持ちだ」と表現する人もいました。

不安は様々な形で現れます。不安がしつこくうずいて心が安らぐことのない人もいれば、急に激しい不安に襲われる人もいます。

クラス全員の前で発表するなど、何かをする前に不安を感じる人もいれば、乗っている飛行機が落ちる、戦争が起きるなど、恐ろしいシナリオが頭に浮かんでしまう人もいます。