「いま」を大切にしたい

また、もうひとつ、「いま」に対する価値観を図表5に示した。

【図表5】「いま」に対する価値観(世代別)(あてはまる計)<『なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか “ゆるい職場”時代の人材育成の科学』より>

「今日という時間は二度とないから、いまを大切にするという考え方に賛同する」という質問への回答は有意な差がない。

YOLO(You only live once)が欧米の若者におけるインターネットスラングとなって久しいが、こうした心理的状況自体は10 代特有というよりは、社会変化による世代間を超えた横断的なものと考えられるかもしれない。

コロナ禍にしろ、国際情勢にしろ、ここ数年でいろいろなことがありすぎた。

そのなかで、世代の問題を超えて現代社会の環境を背景として、「まずは“いま”を大切にしたい」という気持ちが強まっているということだろう。

※本稿は、『なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか “ゆるい職場”時代の人材育成の科学』(日経BP 日本経済新聞出版)の一部を再編集したものです。


なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか “ゆるい職場”時代の人材育成の科学』(著:古屋星斗/日経BP 日本経済新聞出版)

「職場がゆるくて、成長実感がないから辞めます」

こんな社員が登場するようになった「ゆるい職場」時代、若手社員の育成はますます困難になりつつあります。

本書では独自調査とヒアリングから、Z世代の価値観の「二層化」、その不安と焦りを浮き彫りにしたうえで、心理的安全性とともに今、職場に求められる「キャリア安全性」の重要性を示唆し、若手を活躍させることのできるマネージャーに必要な9つのポイントを紹介。

人材育成に悩む現場マネージャーにとって、今日から使える実践的な情報を提供します。