孤独は拒絶に対する強い警戒心の引き金に
難しい理由はもう1つあります。孤独は拒絶に対する強い警戒心の引き金となるため、私たちは拒否されることや冷淡にあしらわれることに過敏になってしまうのです。
そうやって身構えていると、より拒絶されやすい態度をとってしまうことがあります。口に出したせいで実現してしまう予言のように、拒絶されると思っているせいで本当に拒絶されてしまうのです。
パートナーが出ていったあと、ユーリの自己評価は急降下して、自分のことを「役立たず」だと思うようになりました。
地元の広告に出ているような親のサポートグループや、ママと赤ちゃんの音楽教室に参加することも考えましたが、出かける気になれず、家で丸まって寝ていたいと思うだけでした。
こんなふうに感じるのは人間だけではありません。社会生活をする生き物はたいてい、一度群れから引き離されると、群れに戻るときや新しい群れに加わるときに弾きだされることを警戒して、さらに孤立してしまいます。
研究結果によると、ラットやハエでさえ、一度離れると群れのまんなかに戻ることができず、端のほうに留まろうとします。
一方、人間にはラットやハエより有利な点があります。必要なものを得るために、本能を抑えて理性を働かせることができるのです。
しかし簡単なことではないので、やらなくていいようにあらゆる言い訳を考えだそうとします。新しいグループにうまくなじめず、その理由を並べたてるのはふつうのことです。