優越感も劣等感も引きこもりの悪循環に

よくあるのは、劣等感に浸る(「みんなには自分が何をやっているかちゃんとわかっているけど、私にはわかっていない」と思う)か、優越感に浸る(「離乳食とおむつの話しかしない新米の親のグループになんか入りたくない」と思う)ケースです。

数カ月前には人事課の有能な社員だったユーリが、サポートグループに参加する気にさえなれないのは意外かもしれませんが、そういうものなのです。

孤立している人というのは、自分は他人より優れている、あるいは劣っていると思うことで社会的なつきあいを軽んじ、それを言い訳にして参加を避けることが多いものです。

優越感も劣等感も引きこもりの悪循環へとつながり、孤立感を増大させます。

ユーリにとって、自分が孤独であることを認め、支援グループに参加するよう自分に言い聞かせるのは、とても大きな一歩でした。

フェイスブックで見つけた母乳育児支援のグループに参加して、世界が変わりました。週に2回、午後に誰かの家に集まるんです。

ほかのママたちに自分の経験を聞いてもらえるのは気分がいいし、自分も誰かのサポートができたときには、役に立っているんだと思えて。このグループはオンラインでも活動しています。

夜中なんて本当にありがたいんですよ! だいたいみんな起きているんです。いまになってみれば、自分は役立たずだと思うのが癖になっていただけだとわかります。

いろいろな心配事も、ほかの親たちに話したからといってなくなるわけではありませんが、なんとかなると思えるようになるんです。

※本稿は、『子どもとの関係が変わる 自分の親に読んでほしかった本』(日経BP 日本経済新聞出版)の一部を再編集したものです。


子どもとの関係が変わる 自分の親に読んでほしかった本』(著:フィリッパ・ペリー・高山真由美/日経BP 日本経済新聞出版)

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自分の親との関係を見つめ直し、感情を受け止めれば見えてくる

子どもが幸せになるための心がけ