人間は群れをなす動物

孤独というと、社交スキルが低いとか、変わり者だからなどと思われがちです。孤独には不名誉と恥がついてきます。しかしそういう考え方はやめるべきです。

孤独はあらゆる人を苦しめるとても強い感情です。必要なことをするように(一緒にいる相手を見つけるように)という警告なのです。

『子どもとの関係が変わる 自分の親に読んでほしかった本』(著:フィリッパ・ペリー・高山真由美/日経BP 日本経済新聞出版)

人間は群れをなす動物です。

私たちは、食べる必要があるときに空腹を感じ、危険な場所から逃げる必要があるときに体に痛みを感じ、誰かに受けいれられていると思いたいときに孤独を感じます。

孤独は喉の渇きや飢餓感と同じように、必要な感情です。危機的状況にあるときにそれを無視すれば、心と体の健康を壊す大きな原因になります。

1人になるのがそんなにいやなら、何かのグループに参加するか、もっと友達をつくればいいのではないかと思うかもしれません。

しかし、残念ながら、そんなに簡単ではありません。ユーリは疲れきっていて、孤独に対処するためのエネルギーは残っていませんでした。