もう一つの顔

そしてMEGUMIさんにはもう一つの顔があります。石川県金沢市の古民家をパンケーキカフェとして2016年にオープンした『Cafe たもん』のオーナーというお仕事です。

「石川の方たちって、美しい街を守っていらっしゃるので、石橋を叩いて叩いて、やったりやらなかったりするくらい熟考している。その地域の方のマインドに寄り添うということが最初はわからなかったので、すごく戸惑いました」とは昨年9月、中小店舗オーナー向け支援の授賞イベントに登壇した際のMEGUMIさんのコメントです。

今年1月1日、能登半島地震が起きた際、近くに住む何人かの友人や知人らの顔と共にMEGUMIさんのことが浮かびました。

プライベートで大変なことがあった直後に、愛してやまない石川県で大地震が起き、私などは比較にならないほど多くの方の安否を心配することになったであろうMEGUMIさん……。

前述の小椋ケンイチさんをはじめ、共通の知人が何人かいるものの何もできないのに連絡するというのはどうなのか。そして私自身、クリスマスイブに半年間、闘病していた愛犬を見送るという本当に辛い経験をしていて、正直なところ、能登半島地震の映像を見られないほど心身ともに“もっていかれて”しまっていたのです。