幸せな家庭は経営によって創り出せる
もちろん世の中には、そもそも父母がいないとか、さまざまな問題解決の努力をしてみたがどうしようもないという方もいる。
昨今は親ガチャや子ガチャといった言葉もあるほどだ。その場合は「家族そのものを創造できる」という発想がそうした状況を少しは救ってくれるかもしれない。
なにも、「結婚して家族を持て」という古い価値観を押し付けたいのではない。
そうではなく仕事や趣味や学業等を通じて、親代わりの存在、兄代わりの存在、妹のような存在、子のような存在を得ていく道があるということだ。実の兄弟のような遊び仲間だとか、実の親子以上の師弟関係など、ありふれた話である。
この発想であれば誰もが理想の疑似家庭を創り出せる。少なくとも血縁を必要以上に重荷に感じて絶望しなくて済むかもしれない。私にも父代わりだと思っている方がおり、私なりに定期的に親孝行している(つもりだ)。
幸せな家庭は経営によって創り出すことができるのだ。
参考文献:
河合隼雄『家族関係を考える』、講談社、1980年。
落合恵美子『21世紀家族へ:家族の戦後体制の見かた・超えかた』、有斐閣、1994年。
筒井淳也『結婚と家族のこれから:共働き社会の限界』、光文社、2016年。
山口慎太郎『「家族の幸せ」の経済学:データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実』、光文社、2019年。
※本稿は、『世界は経営でできている』(講談社)の一部を再編集したものです
『世界は経営でできている』(著:岩尾 俊兵/講談社)
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