徹底的な「歯磨き」で心筋梗塞や糖尿病のリスクを減らす

歯磨きをしっかりすることも、思いがけず健康効果が高い日常習慣です。

じつは、日本人の40歳以上の約半数の人が歯周病にかかっているとのデータがあります*1。歯周病は、放置すると多くの合併症を引き起こす怖い病気です。

たとえば、歯周病の原因となる「歯周病菌」は、口のなかの血管から全身の血管に回り、巡り巡って心筋梗塞のリスクを高める場合があります。

また、歯周病菌は体内で炎症を起こし、血糖値をコントロールする「インスリン」の力を弱めて血糖値を上げてしまうこともあります。

歯周病を、たかが歯の病気とあなどってはならないのです(写真提供:Photo AC)

血糖値の上昇が行き着く先は、糖尿病です。そうなってしまうと、あとは負のスパイラル。糖尿病が免疫機能を下げると歯周病がさらに悪化し、悪化した歯周病が糖尿病をさらに悪化させます。歯周病を、たかが歯の病気とあなどってはならないのです。

以上のことからも、歯磨きの重要性を理解していただけたかと思います。歯磨きに加えて、歯の細かい部分の汚れを落とすためのフロス(糸ようじ)や歯間ブラシも使うと、歯周病予防の精度はさらに上がります。しかし、自助努力でできるのはここまでです。

*1 厚生労働省 歯科疾患実態調査 2016年版