ささみブロッコリー生活
12月のひと月、さんざん暴飲暴食で怠けた体にピシピシと鞭打ってアスリートの体型を取り戻す努力は、並大抵のものではなかった。方法も自分の中できっちりルーティンがあって厳しい。
普段家では「野球選手」な雰囲気をほぼ見せなかった夫を唯一「プロなんだなぁ…」と感じさせたのが、この1月の「ささみブロッコリー生活」だ。
己に甘いわたしのダイエットなど、足元にも及ばないと思った。
ジャイアンツ球場の自主トレで汗を流しながら、家では私が美味しそうなものを食べる横で、延々とささみとブロッコリーを茹でたものにポン酢をかけて食べる毎日。
カレンダーがどんどん進んで「キャンプイン」の日が近づいてくると、ふとした時に1人で「はぁぁああ…」と深ぁいため息をついている。
そんなに野球に行きたくないのか!?というほど、1月31日が近づくにつれて、そのため息は深く長く、重く…。
今そんな選手はいない。
自主トレの流れでそのままキャンプ地に入る選手も多く、お正月前後のもっと早い日付に自宅を離れる選手が多いと聞いている。
夫がいま現役だったら、えらいこっちゃである。
そんな中で迎える、1月24日。
この辺りにはもう、「いよいよ」という面持ちでキャンプインを迎える準備ができていた。
あと1回くらい「諦め」のような弱音をひと吐きするのだが、身体も表情もどんどんキリッと締まりだして、キャンプインへのカウントダウンが始まっていく。