披露宴、24年前。若い。細いわたし(写真提供◎大神さん 以下すべて)
大神いずみさんは、元読売巨人軍の元木大介さんの妻であり、2人の球児の母でもある。苦しいダイエットをしている最中に、長男が大阪の高校で野球をやるため受験、送り出すという決断をした。球児の母として伴走する大神さんが日々の思いを綴る

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転がるように

転がるように。

ここ数年私の時間の感覚はまさにそんなふうだ。日付が「転がるように」過ぎていく。

最近足首や脚の筋肉が衰えてきたのか、何にもない平らなところでクコッとつまずいてしまうことが多い。ともすれば私自身が道の真ん中で「転がって」しまわないように気をつけなくては。あー、いやだいやだ。

昔から年が改まった1月は「いく」、2月は「にげる」、3月は「さる」とはまさに「それな!」である。

とくに1月というのは我が家にとって「スタートダッシュ」のような、慌ただしいひと月。

例のお互いの実家、大阪・福岡を巡る帰省大行脚から戻るなり、子ども達の学校や野球が始まる前に全速力で準備にかかる。

書き初めの宿題が終わっていない申告に目を吊り上げながら息子を急かす。制服のクリーニングを取り忘れて顔面蒼白。
野球の準備は基本的に子どもにさせるのだが、年末に揃えておいたはずの野球のアンダーシャツがない。出かける朝にウロウロしだして、私は頭から湯気を出しながら洗濯籠をひっくり返す。
お弁当のチャーハンに使うはずだった長ネギも、ほんの数センチしか残ってないことに気づく(ダイニングで1人、刻みネギいり納豆ご飯を美味しそうに食べている夫)。急遽冷凍保存の「吉野家の牛丼」に救われ、ふぅぅうと生き延びた心地。