「会話」

では何故、トーク番組は目線が合っていない視聴者に話が伝わるのに、目線が合っている政見放送の多くは話が伝わってこないのでしょうか。

それはトーク番組が「会話」として成立しているからです。コミュニケーションとして成り立っているから、話している内容を受け取りやすいのです。

政見放送は多くの場合、カメラに向かって1人で淡々と話しています。こういう場合はコミュニケーションとして成立しづらいのです。

1人に話しかけるのは「会話」と同じです。大勢を前に話すより緊張もしないし、聞き手の表情や態度がわかります。聞き手の様子がわかると、自然に間が作れますし、伝えようという熱意が湧き上がります。

「この人にわかってもらおう」と思えば、必然的にその人の様子を観察せざるを得なくなります。つまり聞き手の観察に自然と集中できるのです

観察に集中することができれば、他のノイズ(緊張)が入り込みにくくなるのです。

これはスピーチやプレゼン以外でも全く同じことです。試しに面接試験でもやってみてください。

え? それでもし緊張したら? そんな私を緊張させるようなこと、言わないで下さいよぉ~。

※本稿は、『すぐに使える! おもしろい人の「ちょい足し」トーク&雑談術 お笑い芸人・話し方講師の二刀流が教える 56の絶対ウケる法則』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。


すぐに使える! おもしろい人の「ちょい足し」トーク&雑談術 お笑い芸人・話し方講師の二刀流が教える 56の絶対ウケる法則』(著:桑山元/日本実業出版社)

本書は、芸人たちが使っている【ちょい足し】してコミュニケーションを円滑にするテクニックを、実際に使えるレベルにまで落とし込んだトーク&雑談術。シーンは日常や職場の仕事から雑談まで。すぐに簡単にマネできる【ちょい足し】テクニックの、『つかみ・ツッコミ・リアクション・アドリブ・まわす力(MC力) etc. 』 を、豊富なマンガイラストも使って紹介する。