SNSが発達した現在、コミュニケーションに苦手意識を持つ方も少なくないようです。そのようななか、コントグループ「ザ・ニュースペーパー」のメンバーとして19年間活動していた桑山元さんは、芸人を続けながら、話し方・伝え方を教える講師として活動しています。今回はその桑山さんに、コミュニケーションを円滑にするための「ちょい足し」テクニックを紹介してもらいました。桑山さんいわく、「ツッコミは一般的には短ければ短いほどいいといわれている」そうで――。
ツッコミがわかると「好感度爆上がり」の法則
ツッコミとは相手の面白さを見つけ出し、それを通訳し橋渡しする役割。相手の良さや面白さを見つけ出すことを、意識してトレーニングする
多くの人がツッコミの役割を「怒る役」「ドツク役」「訂正する役」と勘違いしていますが、ツッコミとは『通訳』して『橋渡し』する行為なのです。
私がザ・ニュースペーパー時代にお世話になっていた先輩で、松下アキラさんという方がいらっしゃいます。
その方のハマリ役の一つに元首相の小泉純一郎さんネタがあります。その演説の中にこんな台詞があります。
小泉「痛みを伴う構造改革。今こそ、痛みに耐える時です。耐えて、耐えて、耐え抜く。そうすれば、そのうち、必ず…痛みに慣れます!」
ツッコミ「何でだよっ!」
ツッコミ「何でだよっ!」
実際は演説ネタなので、その場で聞いているお客さんが心の中でツッコミを入れるスタイルになりますが、ここでは便宜上わかりやすくするために、あえてツッコミを表記しました。
この「何でだよっ!」をたいていの人は“訂正”だと捉(とら)えてしまいます。違うんです。
これは「痛みに耐え抜けば、そのうち、必ず…明るい未来が訪れます」となるべきところを「痛みに慣れます」と言い切ったことに対して、「何で、そっちに結論が行っちゃうんだよ」という“リアクション”をしているのです。