ちょっとスピード早かったので…

最近、大相撲を見ていて、私は立ち合いの動きの判断ができなくなってきた。これは老化により、動体視力が弱ってきたのだと悩んでいた。

眼科医院に行き、医師に「立ち合いで前みつを取ったのかとか、張り差しをしたのかとか、分からないのです。どうしたら良いですか?」と聞こうと思っていた。かかりつけの医師は、私が大相撲ファンということを知らないので、どう反応するかが心配だった。

ところが、動体視力については、12日目に安心させられた。

実況の大坂敏久アナウンサーが、豊昇龍と前頭12枚目・隆の勝の対戦が終わった後、豊昇龍の立ち合いの動きについて、「左を張った動きは正面から分かったのですが、右の下手は取りましたか?」と、向正面にいる押尾川親方(元関脇・豪風)に聞いた。

コロナ禍の時と違い、向正面の解説は桝席の中で行われている。押尾川親方は、「ちょっとスピード早かったので分かんなかったですね」と答えた。親方でも分からない時があるのだと知り、安心した。

後半戦は、新入幕の前頭15枚目・大の里が好成績で、出世が早くて大銀杏を結えず、ざんばら髪のまま、照ノ富士、大関・豊昇龍、琴ノ若と対戦して上位陣に跳ね返された。しかし大の里は14日目に10勝をあげて立派だ。

今場所は、幕下から見ていて物言いが多く、そのたびに審判の親方たちが、のそのそと土俵に上がる。これは親方たちのエコノミークラス症候群を防ぐのに役に立っているのではないかと思っている。私もテレビ観戦中にたびたび立ち上がり、その場でスキップをしている。

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