私が住んでいる1DK(ふた間)の団地です(写真:川瀬典子)
内閣府が公開している「令和4年版高齢社会白書」によると、65歳以上の一人暮らし世帯数は年々増加傾向にあるようです。そのようななか、数々の人生の逆境を持ち前のバイタリティーで乗り越え、歳を重ねてもなお生きることの楽しさを体現しているのは、『71歳、団地住まい 毎朝、起きるのが楽しい「ひとり暮らし」 がんを乗り越えてわかった本当の幸せ』を著した、ソネ ジュンコさん。ソネさんいわく、「『楽しく生き切ること』が私の使命かもしれません」とのことで――。

頼りにしていた実家が倒産の憂き目に

バツイチで子ども3人の母子家庭とはいえ、実家が裕福であるがゆえに、経済的に困ることもなく、それまでと同じような暮らし方をしていた私ですが、2001年、ついに最大の試練が訪れます。

私の大きなよりどころであった父の会社が倒産したのです。

『71歳、団地住まい 毎朝、起きるのが楽しい「ひとり暮らし」 がんを乗り越えてわかった本当の幸せ』(著:ソネ ジュンコ/ダイヤモンド社)

すでに父から代替わりして社長を務めていた弟から「とうとう会社がダメになった。姉さんの住んでいるマンションも売りに出すことになったから、1か月以内に引っ越し先を見つけて出て行ってくれ」と言われたときの衝撃を、私は一生涯忘れることはないでしょう。

私には長男・長女・次女と3人の子どもがいますが、ちょうど末っ子の次女が高校に進学するタイミングでの出来事でした。

まさにこれから子どもにお金がかかるようになる時期に、それまで「あって当然」と思っていた後ろ盾を完全に失うことになったのです。

それまで親の持つ財力にどれだけ依存してきたか、初めて突きつけられた瞬間でした。