使っていないという「事実」と使わなくなった「理由」

それを踏まえてあらためてアドバイスをすれば、なかなか捨てられないアイテムも、「現実として使っていない」という事実、そして使わなくなった理由という二点をはっきりさせれば、案外手放せるようになるはずです。

私自身「気づいたらロングブーツをこの冬、履いていなかった。その理由は、脱いだり履いたりに時間がかかるから」ということを確認できた途端、どこか気持ちが軽くなって、すっと手放せた覚えがあります。

そのことを伝えた方々の多くも「コートとブーツは手放せないもの」という呪縛から解放されたようで、「何年も着ていないコートを手放せたら、クローゼットにぽっかりと空間ができました!」「下駄箱からロングブーツがなくなったら、空いたスペースに非常用持ち出し袋を入れられました!」など、その喜びを伝えてくださいました。

どちらも、持ち物の中での「大物」だからこそ、特に達成感があり、ことさら嬉しいのかもしれませんね。

ほとんどのお宅で、クローゼットや玄関に割くことができるスペースは限られています。

その狭い場所から、着ていないコートを一着、もしくは履いていないブーツを一足なくすことができれば、それがどれだけのスペースを占めていたのか、そしてなくなることでどれだけすっきりするのか、といった事実に気づくはずです。

阿部さんが昨シーズン終わりに手放したブーツ(写真:著者)