どうしたら自分で勉強したくなるのか

教務部の教員たちはテストをどのような形で行えば、自分で勉強したくなるのか、そしてその努力をどのようにすれば、成績に反映してあげられるのか、試行錯誤することになったのです。

その主な考えを羅列すると、

(1)テストは成績をつけるために行うのか、本来、生徒が自ら勉強したくなるために行うのではないか。

(2)広範囲でたくさんの課題を一気にこなす定期テストでは、理解度の速い子どもたちには適しているが、ゆっくりと理解していく子どもたちは不利。

定期考査をなくそうと考えたのは宿題と同様で、最上位の目的を達成するための手段として適していない、と感じたからです(写真提供:Photo AC)

(3)瞬間風速を計測するかのように、その時点での学力を学力として判断していいのか。極端に言えば年度末の時点で理解していれば、その子の学力としてもよいのではないか。

(4)なぜ、平均点を出す必要があるのか。結果として劣等感を生んでいるだけではないか。

(5)テストを行ったことにより、自分のわからなかったことが明確になり、それを解決していくことが大切なのではないか。過去の自分と未来の自分を比較するようなしくみは作れないのか。

(6)だとすれば、何回もテストをやってあげれば意欲が湧くのじゃないか。でもそんなことをすれば教員の負担が増えてしまうことになる。

など、さまざまなことが検討事項にあがっていきました。