身につけさせたい学び

そこで、麹町中(著者が校長として教育改革を行った千代田区の中学校)に赴任した2年目に、まず1学期の中間考査を廃止しました。

一人ひとりが自律した学びができるようになるために大切なことをいくつか挙げると、まずは何を勉強する必要があるのかを自分で考え、気づくことです。そして次に「何がわかって」「何がわからないのか」を認識することです。

『校長の力-学校が変わらない理由、変わる秘訣』(著:工藤勇一/中央公論新社)

そして最も重要なのが、「わからないもの」について、自分で調べてみたり、他人に聞いたりするという行動を繰り返しながら、疑問を解決する方法を身につけていくことです。

僕らはそうした学びを身につけさせたいと考えました。

中間考査の撤廃は、2002年に週5日制が完全導入されて以来、授業時間の確保を目的に他の学校でも行われていたので、これは割と問題なく移行しました。

しかし、ここからが大変でした。