生徒の立場からはその仕事内容が見えにくい校長先生という仕事。みなさんはどのような印象をお持ちでしょうか。「校長の意識さえ変われば、学校全体が必ず変わります」と話すのは、千代田区立麹町中学校で校長として400項目以上の教育改革を実行してきた、工藤勇一先生。現在は、私立の横浜創英中学・高等学校の校長として、画期的な教育改革を実行し続けています。工藤先生は「テストの結果を根拠に学力を測ったり成績をつけたりすることに疑問を感じていた」そうで――。
中間・期末テストの廃止へ
定期考査をなくそうと考えたのは宿題と同様で、最上位の目的を達成するための手段として適していない、と感じたからです。
中学生の時は、定期考査が近づいてくると、皆さんプレッシャーを感じたのではないでしょうか。1週間前になって付け焼き刃で、何とか遅れを取り戻そうとにわか勉強をすることになる。テストに出そうな部分にヤマを張って、一夜漬けで頭に叩き込んだ人も多いと思います。
そして、テストが終わったらきれいにすっかり忘れてしまう。
最上位の目的とは、「学習の成果を持続的に維持すること」ですが、定期考査を実施したからといってなかなかそうはいきません。
単なる暗記でも、「点数を取る」という目的なら、何とか達するかもしれません。しかし、それでは意味がありません。
テストの結果を根拠にして学力を測ったり成績をつけたりすることに対しても、僕らは疑問を感じていました。