わかっていると思い込んでいるときが危機

「般若心経」は、「人間は色(しき)・受(じゅ)・想(そう)・行(ぎょう)・識(しき)の五蘊(ごうん)から成り、その本質は空(くう)である」と説いている。

すなわち「人間は何も知らない」という意味だ。「何も知らない」ことを自覚してこそ、危機を脱することができる。

つまり、わからないときではなく、わかっていると思い込んでいるときが危機なのだ。

さらに、「わからないということがわからない人」は、予測が当たらなかったとき、自分が間違っていたのではなく運が悪かっただけと考える。

だが、わからないとき、わからないと思ったとき、人は慎重になり、警戒して万一に備えるものだ。わからないということがわかっていてこそ、私たちは個別の資産や企業について深く学び、情報を集めることができる。

さらに事実関係を確認して、人に見えないものを見いださねばならない。これをもとに市場の流れに逆らう勇気をもった人だけが、市場よりも成功できるのである。

※本稿は、『お金は君を見ている 最高峰のお金持ちが語る75の小さな秘密』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。


お金は君を見ている 最高峰のお金持ちが語る75の小さな秘密』(著:キム・スンホ 、翻訳:吉川南/サンマーク出版)

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