アクション女優として一世を風靡
東 直美ちゃんは今でも野生よね。1人で自由に生きてる感じ。(笑)
松平 アクション女優として一世を風靡したのは今でも強烈に覚えてるわ。
長谷 作品には恵まれたかもしれない。『太陽にほえろ』も楽しい収録だったし。
てる美ちゃんも、アルバイト感覚でこの仕事を始めたんでしょ?
東 私は、オイルショックで実家が没落しちゃって、なんとか自分の高校の授業料を自分で稼ぎたいと思ったわけ。でも、当時の高校生の時給って180円ぐらいだったのよ。スナック勤めだと600円。で、そんなときに知り合いから、舞台に出て踊ってくれれば1日8000円って言われた。17歳でわけわかんないし、じゃあ行きますと返事をして名古屋に連れていかれたら、そこはストリップ劇場だったのね。着物着て、胸を少しはだけて、なんて言われて…。
松平 17歳って…。今ならやばいわね。怖くなかったの?
東 私、その頃から度胸だけはあったのよね。知り合いもいなかったし、ここは言うこときいて、おっぱい出すぐらいいいや、なんて思っちゃった。そしたら来月は福岡だよ、なんて、どんどん仕事が来たの。そして、あれよあれよという間に日活の映画に出ることになっちゃいました。…って、このへんのことを話すと3日ぐらいかかるんだけどね。(笑)
長谷 本当に度胸があるわ。でもお嬢さんが多い私立でしょ?高校にばれたら退学になりそう。
東 そうなのよ。絶対に高校には内緒で、とにかくお金がほしくてがんばったの。
そしたらある時、映画のプロデューサーから、私の通っている高校の先生から連絡があったって聞いたのよ。
松平 ついにばれた?
東 その先生、普段はめちゃくちゃ怖くて、私は1度も口をきいたことがなかったんだけど、彼が私の出ている映画を観て、プロデューサーに「自分は東てる美が通う女子高の教員で、女学生の実態に詳しいからぜひ脚本を書かせてくれ」って売り込んだらしいの!
長谷 え~~~~!そっち??(笑)
東 それに、私に会いたいって言ってきた。卒業まであと3ヵ月のころだったかな。私は、会う気がしなくてそのまま卒業した。そしたら、数ヵ月後、その先生の脚本の作品ができたとプロデューサーが教えてくれたんだけど、タイトルは『むれむれ女子大生』!(笑)
松平 てる美ちゃんが、その先生の人生を変えちゃったわね。(笑)
長谷 でもそのままピンク映画で終わらなかったのが、てる美ちゃんのすごいところよね。